読書リスト(2020年6月)

A.O.ハーシュマン『離脱・発言・忠誠 企業・組織・国家における衰退への反応』
"離脱・発言・忠誠という人間の社会的行為の三類型の剔出を通じて、小は町の零細企業から大は巨大国家にいた“

木澤佐登志『ニック・ランドと新反動主義 現代世界を覆う〈ダーク〉な思想』
"ランドと、彼が率いた研究グループCCRUの影響圏は、「加速主義」「思弁的実在論」など近年の思想動向から、多“

増淵敏之『伝説の「サロン」はいかにして生まれたのか コミュニティという「文化装置」』
"集住、同好の士、上京行動、ローカル・ネットワーク、セレンディピティ…。伝説となったサロンから、現代のコワーキングスペースやオンラインサロンまで"

中井亜佐子『〈わたしたち〉の到来 英語圏モダニズムにおける歴史叙述とマニフェスト』
"世界戦争と革命の20世紀を生きた3人のモダニストたちのテクストから〈わたしたち〉という集合性の危うさと可能性を読み解く"

TAGRO『DON’T TRUST OVER 30』
"異才・TAGROが主に『ファウスト』誌上に発表した短編群を収めた傑作短編集。表紙、あとがきを描きおろし定本としてついに文庫化"

蔭山宏『カール・シュミット ナチスと例外状況の政治学』
"『政治神学』から転機となったホッブズ論、第二次大戦後の『大地のノモス』まで、主要著作を読み解きつつ、七〇年に及ぶ思想の変遷を“

すいのこ『eスポーツ選手はなぜ勉強ができるのか トッププロゲーマーの「賢くなる力」』
"「プロゲーマー」は、優れた「行動力」と「問題解決能力」“

伊藤修一郎『政策実施の組織とガバナンス 広告景観規制をめぐる政策リサーチ』
"成功している自治体はどこが違うのか。なくならない法令違反。自治体を動かし規制を機能させるにはどうすべきか“

伊藤修一郎『政策リサーチ入門―仮説検証による問題解決の技法』
"社会問題・政策課題を題材に、情報の収集、因果関係の分析、対策の立案・評価、成果のプレゼンテーションと論文・レポート作成の方法を平易に解説"

フィリップ・スコフィールド『功利とデモクラシー ジェレミー・ベンサムの政治思想 』
"支配する少数者の「邪悪な利益」を いかに制御するか――ゆえにベンサムは急進的でなければならなかったのだ"

福井健策『18歳の著作権入門』
"基礎的な知識からデジタル化が揺さぶる創作と著作権の現況まで。著作権を考えることは未来を創造すること! おとなになる前に読みたい、教養としての著作権の話"

瀬川拓郎『アイヌと縄文――もうひとつの日本の歴史』
"交易、祭祀、葬制、遺跡とその遺物、言語などの多方面にわたる最新のアイヌ研究を総合し、弥生文化を選択した現代日本人にとって、ありえ“

稲垣栄洋『イネという不思議な植物』
"植物の常識に照らすと、生態が少し奇妙なイネ。だがそれゆえに、人に深くかかわりその生活や歴史までも動かしてきた。イネとは何か、なぜ人を魅了してやまないのだろう。その秘密にせまる"

松井彰彦『市場って何だろう──自立と依存の経済学』
"自立するために、多くの依存先を持とう! さまざまな依存先を提供しうる市場という頼れる存在。市場の原理をゲーム理論で読み解きながらそのあり方・可能性を考える"

山本貴光『世界が変わるプログラム入門』
"現代人の基礎教養?! 新しいプログラムを書くことは新しいコンピュータの使い方を発見すること。難解な数式不要! まずは紙と鉛筆と頭で入門しよう“

渡辺一史『なぜ人と人は支え合うのか──「障害」から考える』
"障害者について考えることは、健常者について考えることであり、同時に、自分自身について考えることでもある。2016年に相模“

岡本隆司『近代中国史』
"「幇」とよばれる中国団体をはじめ、貨弊システム・財政制度・市場秩序など、中国固有の構造がつくられたからだ。本書は経済史の視座から一六世紀以降の中国を俯瞰し、その見取り図を明快に描く"

磯野真穂『ダイエット幻想──やせること、愛されること』
"食べること、他者と生きることをあらためて見つめなおす一冊"

大澤真幸『生権力の思想──事件から読み解く現代社会の転換』
"死を迫る権力から、生かすための権力へ──これこそ近代への転換であった。そして規格化された従順な身体を規律と訓練によって創“

長谷川修一『謎解き 聖書物語』
"ノアの方舟バベルの塔出エジプト……旧約聖書の有名な物語の数々。それは本当に起こったことなのか? それともたんなるフィクションに過ぎないのか? 最“

三浦佑之『古事記を読みなおす』
"「出雲神話」が必要とされたのはなぜか。どうして権力にあらがい滅びた者たちに共感を寄せるのか"。この作品の成り立ちを説く「序」は真実か……このような疑“

河合信和『ヒトの進化七〇〇万年史』
"二一世紀に入り先史人類学をめぐる状況は大きく変わった。画期的な発見が相次ぎ、人類の起源が従来より七〇〇万年遡るとともに、進化の道筋も見方の変更が“

平岩時雄『99%の人が速くなる走り方』
"遅い人でも、速くなるチャンス!国際舞台で活躍するアスリートを指導する、プロのトレーニングコーチが教える走る技術。正しい走り方を知れば誰でも速くなる!"

石井淳蔵『マーケティングを学ぶ』
"供給が過剰となり、従来的な手法だけでは容易にモノが売れない時代を迎えている。企業にとっては生活者や顧客との関係をいかにデザインするかが喫緊の課題となっている。市場に向けて、どのような戦略を練るか"

君塚直隆『ヨーロッパ近代史』
"なぜ、この時代に世界を席巻することができたのか? それを可能にした力の根底には「宗教と科学(の相剋)」がある。本書はこうした視座から、近代ヨーロッパが世界史を一変させた秘密をよみとく試みだ"

倉本一宏『はじめての日本古代史』
"日本はいつどのようにして生まれたのか? 農耕がはじまり、国家が生まれ、政変が繰り返され、中世へと続く日本の原型がつくられる。その流れをトピックでおさえる一冊"

本川達雄『生きものとは何か ──世界と自分を知るための生物学』
"自分を知るには、まず生きもののことを理解しておく必要がある。生きものの形や時間にはどのような特徴があるのだろう? 何“

森生明『会社の値段』
"日本では、「会社買収」に対する違和感を持つ人が多い。しかし、株式会社というのは、そもそも「会社を売り買いする仕組み」ではなかったのだろうか?本書は、会社に値段“

渡辺尚志『百姓たちの江戸時代』
"江戸時代の人口の八割は百姓身分の人々だった。私たちの先祖である彼らは、何を思い、どのように暮らしたのだろうか? 何を食べ、何を着て、どのように働き、“

竹田いさみ『世界史をつくった海賊』
"スパイス、コーヒー、紅茶、砂糖、奴隷……これら世界史キーワードの陰には、常に暴力装置としての海賊がいた。彼らは私的な略奪にとどまらず、国家へ利益“

山鳥重『「わかる」とはどういうことか ――認識の脳科学』
"われわれは、どんなときに「あ、わかった」「わけがわからない」「腑に落ちた!」などと感じるのだろうか。また「わかった」途端に“

孫崎享『日本の国境問題──尖閣・竹島・北方領土』
"領土は魔物である。目を覚ますと、ナショナリズムが燃え上がる。経済的不利益に、自国の歴史を冒涜されたという思いも重なり、一触即発の事“

四方田犬彦『「かわいい」論』
"なぜ、日本の「かわいい」は、これほどまでに眩しげな光を放つのか? 「かわいい」を21世紀の美学として位置づけ、その構造を通時的かつ共時的に分析する"

上野千鶴子『情報生産者になる』
"オリジナルな問いを立て、過去の研究に学び、一次データを収集し、それに分析を加え、アウトプットするまでの一連の過程を、具体例を交えながら解説“

小倉紀蔵『朝鮮思想全史』
"朝鮮思想史を概観すると、思想の純粋性をめぐる激烈な闘争が繰り返し展開されてきたことがわかる。思想闘争は政治闘争と直結し、その様相は朝鮮時代の儒教や、解放後の韓国と北朝鮮イデオロギーに典型的に見られる"

加藤典洋『戦後入門』
"「対米従属」や「ねじれ」の問題は、どこに起源があり、どうすれば解消できるのか――。世界大戦の意味を喝破し、原子爆弾と無条件降伏の関係を明らかにすることで、敗戦国日本がかかえた矛盾の本質が浮き彫りに"

高野文子『本屋になりたい』
"「本屋になりたい」という気持ちのままに東京の巨大新刊書店から沖縄の小さな古本屋へ。この島の本を買取り、並べて、売る日々の中で本と人のあいだに立って、考えたこととは"

戸田山和久『哲学入門』
"「ことばの意味とは何か」「私たちは自由意志をもつのか」「道徳は可能か」、そして「人生に意味はあるのか」…すべての哲学問題は、根底から問い直される必要がある!“

沼上幹『組織戦略の考え方――企業経営の健全性のために』
"本書は、常識的な論理をひとつずつ積み上げて、組織設計をめぐる誤解を解き明かす。決断できるトップの不在・「キツネ」の跋扈“

今井むつみ『ことばの発達の謎を解く』
"単語も文法も知らない赤ちゃんが、なぜ母語を使いこなせるようになるのか。ことばの意味とは何か、思考の道具としてどのように身につけていくのか“

児玉聡『功利主義入門──はじめての倫理学』
"「功利主義」という理論についてよく考えることで、倫理学を学ぶことの意義と、その使い方を示す。「ルールはどこまで尊重すべきか」や「公共性“

重田園江『ミシェル・フーコー――近代を裏から読む』
"正常と異常の区分を生み出す「知」の体系と結びつき、巧妙に作用する「権力」。そうした秩序が社会の隅々にまで浸透する近現代の先に何を見定めたのか。革命的入門書"

竹内洋『社会学の名著30』
"意外に手ごわい社会学も、良質な入門書に導かれれば、見慣れたものの意味が変容し、知的興奮を覚えるようになる。著者自身が面白く読んだ書30冊を通して、一員で“

細川亮一『ハイデガー入門』
"成功と絶望的な無理解の断層に屹立する哲学書存在と時間』。そこに隠された真の狙いとは何なのか? 本書は難解で知られるハイデガーの思考の核心を読み解き、プ“

野中モモ『デヴィッド・ボウイ──変幻するカルト・スター』
"一九四七年に生まれ、ロックン・ロールの勃興からデジタル音楽配信の時代までを生き抜き、最後まで創造をやめなかった。きらびやかなグラム・ロックの英雄ジギー・スターダストの衝撃"

『SFマガジン 2020年 08 月号』
"「Re: Re: Enchantment」青山新・「かたる、つくる デザインとSFの交差する場所で」佐々木未来也“

エリザベス・グロス『カオス・領土・芸術: ドゥルーズと大地のフレーミング』
"ドゥルーズ=ガタリの非人間主義的哲学やイリガライの性的差異の思考、ダーウィンの性淘汰理論と共振しつつ、動物的なものとしての芸術の起源を探究する"

渡辺靖『白人ナショナリズム アメリカを揺るがす「文化的反動」』
"軍備拡張や対外関与、グローバル資本主義を否定する。社会の分断が深まるなか、自由主義の盟主アメリカはどこへ行くのか。草の根のリアルな動向を現地から報告"

平林克己、宮西建礼、岡田裕子『京大吉田寮』
"現存する日本最古の学生寮京都大学吉田寮寄宿舎。その“今”を記録する、写真によるドキュメント"

吉見俊哉『五輪と戦後: 上演としての東京オリンピック』
"この国にとって五輪とはいったい何なのか? 戦後日本の呪縛を解く、オリンピック論の決定版! 帝国の軍都からオリンピックシティへ“

齋藤隼飛『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』
"テクノロジーと社会思想の間に架け橋をつくり、来たる時代における社会のあり方を提示する"