読書リスト(2019年10月)

この記事は、ぼくが先月チェックしたブックリストです。
実際に買ったり読んだりした本へのコメントは、下記noteに掲載しています。

おどりのようなもの|seshiapple|note

noteでは、地方や教育、キャリア、批評などについても書いています。
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ディネシュ・J・ワディウェル『現代思想からの動物論: 戦争・主権・生政治』
"フーコーアガンベンデリダ、ハラウェイ、スピヴァク、キムリッカなど広範な思想家の理論を通し、「動物」"


柄谷行人、浅田彰『柄谷行人浅田彰全対話』
"一九八五年から九八年までになされた六つの対話では、思想、歴史、政治、経済、共同体、表現"


外山恒一『改訂版 全共闘以後』
"1968年の全共闘から50年。1972年の連合赤軍事件を境に学生運動は退潮し、その後は「シラケでバブルでオタクでサブカル」の時代―"


武邑光裕『ベルリン・都市・未来』
"スタートアップ・エコシステム、ネオヒッピー・カルチャー、ポスト・データエコノミー。「壁」の崩壊から30年、テクノミュージックによって断絶を乗り越え文化多様性が社会をドライブさせるこの街"


重田園江『隔たりと政治――統治と連帯の思想』
"すぐそこにある隔たりから、政治思想の問いは出発する―。規律社会の統治のテクノロジーを鋭く読み解きながら、紛争や暴力を治め、分断に抗う連帯の可能性を構想する試み"


小針誠『アクティブラーニング 学校教育の理想と現実』
"2020年教育改革の先はバラ色の未来なのか?学力は向上するのか? 学力格差はどうなるのか? 学校や教師の負担は?"


松岡亮二『教育格差──階層・地域・学歴』
"戦後から現在までの動向、就学前〜高校までの各教育段階、国際比較と、教育格差の実態を圧倒的なデータ量で検証。その上で、すべての人が自分の可能"


マーク・フォーサイズ『酔っぱらいの歴史』
"ギリシア人とローマ人とヴァイキングたちの宴とはどのようなものだったのか。蒸留酒があたえた衝撃とは。古代中国やイスラム圏、さらにロシア"


吉田恭子『精読という迷宮―アメリカ文学のメタリーディング』
"文学研究の基本と見なされている「精読」。しかしそれがどんな営みなのか、共通理解は存在しない。「精読」の名の下になされる"


中村高康『暴走する能力主義──教育と現代社会の病理』
"気鋭の教育社会学者が、「能力」のあり方が揺らぐ現代社会を分析し、私たちが生きる社会とは何なのか、その構造をくっきりと描く"


中山悟視『ヒッピー世代の先覚者たち: 対抗文化とアメリカの伝統』
"ヒッピーは、いつあらわれ、どこからやってきたのか…。1960年代のアメリカに湧き上がったアメリカの対抗文化"


白川恵子『抵抗者の物語: 初期アメリカの国家形成と犯罪者的無意識』
"名もなき者たちの取るに足りない営為が、ナラティヴを成す。叛逆的暴力と愛国的雄姿との転倒的ゆらぎ"


納富信留『プラトン哲学への旅 エロースとは何者か』
"哲学者プラトンの代表作で、古代ギリシア語の散文作品として名高い『饗宴』のなかに、語り手の「私」(「現代からの客人」)が列席"


樫村愛子『この社会で働くのはなぜ苦しいのか』
"ラカン精神分析やフランス社会学の知見を武器に、今日の「労働」が抱える問題の根底に社会構造と主体の変容を見出し、「就活」"


下山進『2050年のメディア』
"読売、日経、ヤフー、波乱のメディア三国志!紙かデジタルか? 技術革新かスクープか?"


田中愛治『熟議の効用、熟慮の効果: 政治哲学を実証する』
"ミニ・パブリックスによる討議型世論調査の結果と、熟慮した市民に最先端の世論調査を行った結果を測定・比較する。テーマは「外国人労働者の受け入れ」"


松田行正『独裁者のデザイン: ヒトラー、ムッソリーニ、スターリン、毛沢東の手法』
"「国民の承認」の名のもとに既成事実化するヒトラー/ナチ・ポスターを描いたイラストレーターたち/政治"


鈴木宏昭『教養としての認知科学』
"人間はどのように世界を認識しているか?「情報」という共通言語のもとに研究を進める認知科学が明らかにしてきた,知性の意外なまでの脆さ・儚さ"


國分功一郎『原子力時代における哲学』
"哲学者でただ一人、原子力の本質的な危険性を早くから指摘していた人物がいる。それがマルティン・ハイデッガー。並み居る知識人たちが原子力の平和利用"


ダニエル・コーエン『ホモ・デジタリスの時代:AIと戦うための(革命の)哲学』
"フランスを代表する経済学者が、1968年5月革命以後の「世界史の構造」を総括!新たな人文知のために、デジタル社会における「経済成長」の真実に迫る"


稲葉振一郎『AI時代の労働の哲学』
"「我々は人工知能技術の発展が社会に、とりわけ労働に及ぼすインパクトについて考える際に、どのような知的道具立てを既に持っているのか?」"


稲葉振一郎『銀河帝国は必要か?──ロボットと人類の未来』
"超高機能ロボットとの共存や、宇宙への進出がリアリティを増してきた現代。「人間」のアイデンティティも大きく揺らいでいる。「心ある者」とはいったいなんなのか?"


スーザン・L・カラザース 『良い占領?: 第二次大戦後の日独で米兵は何をしたか』
"戦後のアメリカは、日本とドイツで行った自らの統治政策を「良い占領」のモデルとみなし、イラク占領等を正当化する材料として長く利用してきた"


柿木伸之『ヴァルター・ベンヤミン 闇を歩く批評』
"戦争とファシズムの時代に生きた思想家ヴァルター・ベンヤミン(一八九二~一九四〇)。蹉跌の生涯のなかで彼が繰り広げた批評は、言語"


トリスタン・ブルネ『水曜日のアニメが待ち遠しい:フランス人から見た日本サブカルチャーの魅力を解き明かす』
"1970年代末、フランスの子どもたちはみんな日本アニメに夢中になった"


小川哲『嘘と正典』
"第3回ハヤカワSFコンテスト〈大賞〉受賞後、第2長篇『ゲームの王国』で日本SF大賞および山本周五郎賞を受賞した小川哲。その受賞後第一作となる短篇集を刊行する"


海猫沢めろん『もういない君と話したかった7つのこと 孤独と自由のレッスン』
"ボクシング界やホスト業などあらゆる世界を見てきた著者だからこそ語れる言葉の数々がここに。平凡であること"


辻陽『日本の地方議会-都市のジレンマ、消滅危機の町村』
"都市部では、強い権限をもつ首長を支えれば単なる「追認機関」と批判され、首長と対立すれば「抵抗勢力」と見なされがちだ。一方、過疎が進む地方では、議員のなり手不足"


クレア・ウィークス『完全版 不安のメカニズム ストレス・不安・恐怖を克服し人生を取り戻すためのセルフヘルプガイド』
"経験豊富な開業医が不安症状に苦しむ人に語りかけるロングセラー"


加藤匡毅『カフェの空間学 世界のデザイン手法: Site specific cafe design』
"自らも多くのカフェを設計してきた著者が設計者ならではの視点で世界中のカフェ空間"


峯陽一『2100年の世界地図 アフラシアの時代』
"2100年までに世界の人口は百億人を超え、アフリカとアジア、すなわち「アフラシア」の人々が世界人口の8割以上を占める"


栗原明志『浮きよばなれ: 島国の彼岸へと漕ぎ出す日本文学芸術論』
"古事記万葉集源氏物語保元物語日蓮徒然草南総里見八犬伝歌川国芳河口慧海幸田露伴、山田美妙、種田山頭火小津安二郎、西馬音内盆踊り"


めっちゃおもしろそう。 佐伯和人『月はすごい-資源・開発・移住』
"地下トンネルの構造など、最新の月探査での発見までを解説。さらには、人類が月利用を進めることを想定し、水や鉱物資源"


『アイデア No.387 2019年 10月号』
"国内の書籍売上がピークに達した1996年から現在に至る「出版不況」の時代のブックデザインをカバーデザインのスタイル別に紹介"


森まゆみ編『伊藤野枝集』
"「吹けよ あれよ 風よ あらしよ」。17歳で故郷を出奔、東京へ。辻潤と結婚、『青鞜』に参加、女性解放を求める活動のさなか、大杉栄と出会い"


山本昭宏『大江健三郎とその時代 「戦後」に選ばれた小説家』
"四国の山深い地に生まれ、上京後まもなく東大生作家としてデビュー、23歳で芥川賞を受賞、1994年にはノーベル文学賞受賞。華々しい活躍とともに時代の寵児となった小説家"


ヴァーツラフ・ハヴェル『力なき者たちの力』
"権力のあり様を分析し、「真実の生」の意義を説いたこのエッセイは、冷戦体制下の東欧で地下出版の形で広く読まれただけでなく、今なおその影響力"


ジョン・ヒッグス『人類の意識を変えた20世紀: アインシュタインからスーパーマリオ、ポストモダンまで』
"20Cの“大変動”を経て、人類はどこへ向かうのか?文化・アート・科学を自在に横断し、新たな希望を見出す冒険が始まる"


伊藤守『コミュニケーション資本主義と〈コモン〉の探求 ポスト・ヒューマン時代のメディア論』
"本書では、米国の政治学者ジョディ・ディーンによって提起された「コミュニケーション資本主義"


淵田仁『ルソーと方法』
"「貴方がたが神のように崇める秩序や方法は私にとって忌み嫌うべきものなのです」──啓蒙の世紀において知を知たらしめる社会的規範であった分析的方法を欺瞞"


大嶋栄子『生き延びるためのアディクション―嵐の後を生きる「彼女たち」へのソーシャルワーク』
"医療モデルを超えて生活支援共同体の実践へ―四つの嗜癖行動パターンと三つの回復過程モデルを手がかりに、暴力・貧困・スティグマに絡めとられた“彼女たち”の生活を取り戻す"


リサ・フェルドマン・バレット『情動はこうしてつくられる──脳の隠れた働きと構成主義的情動理論』
"情動は〈理性のコントロールが及ばず自動的に引き起こされる反応〉ではない。〈幸福の神経回路〉などないし、〈怒りのニューロン〉も特定の部位もない"


ヤーコ・セイックラ、トム・アーンキル『開かれた対話と未来 今この瞬間に他者を思いやる』
"「対話が目的」の対話?「未来を思い出す」対話?――この不思議な設定が、いま対人援助の世界を大きく揺るがせている"


シルヴェール・ロトランジェ、 ポール・ヴィリリオ『黄昏の夜明け: 光速度社会の両義的現実と人類史の「今」』
"「速度の政治経済学」の提唱を通じ、人類社会の光と闇の実体に迫る。「私たちの今」と「生きる身体」の解放"