読書リスト(2019年4月)

この記事は、ぼくが先月チェックしたブックリストです。
実際に買ったり読んだりした本へのコメントは、下記noteに掲載しています。

読書リスト(2019年5月上旬)|seshiapple|note

noteでは、地方や教育、キャリア、批評などについても書いています。
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金井利之『行政学講義 ──日本官僚制を解剖する』
"支配・外界・身内・権力の4つの切り口で行政の作動様式を活写"

さのかずや『田舎の未来』
"大学生、広告代理店、大学院、再び会社員、そしてフリーランスと立場を変えながら、ずっと「田舎の未来」のことを考え、実践し、試行錯誤し続けている若者の記録"

中島隆博『ことばを紡ぐための哲学 東大駒場・現代思想講義』
"いま世界を覆っているのは、真実の声をかき消すほどの過剰なことばの氾濫である。インターネットでSNSを開くと、そこには匿名"

フィリップ・ソレルス『ドラマ』
"《書く》という営為そのものを主題とし、《書くことを書く》試みのめくるめき変幻と遷移によって、《書く者》の意識の流れと記憶の連環を不可視の領界から紙幅"

京都造形芸術大学舞台芸術研究センター『舞台芸術 22 〈劇場〉の現在形 「拡張」と「拡散」の間で』
"特集「〈劇場〉の現在形―「拡張」と「拡散」の間で」に対して3つの視点から渡邊守"

堀川淳一郎『Algorithmic Design with Houdini Houdiniではじめる自然現象のデザイン』
"数理モデルを組み込んで物理現象をプロシージャルにシミュレー"

『表象13』
"共同討議「ファッション批評は可能か」平芳裕子+蘆田裕史+牧口千夏+三浦哲哉+門林岳史 翻訳「ベンヤミンと近代のファッションという革命」ウルリッヒレーマン|「ファッシ"

斎藤美奈子『日本の同時代小説』
"この五〇年、日本の作家は何を書き、読者は何を読んできたか。「政治の季節」の終焉。ポストモダン文学の時代。メディア環境の激変。格差社会の到来と大震災―。「大文字の文学は終わった」と言われても"

梁鴻『中国はここにある――貧しき人々のむれ』
"「農村が民族の厄介者となり…病理の代名詞となったのはいつからだろう」。希望はないのか。著者は農村社会の伝統にその芽をみる"

鳥羽耕史『1950年代---「記録」の時代』
"忘却された時代を呼び覚ませ! 生活綴方、サークル詩、ルポルタージュ絵画、記録映画、テレビ・ドキュメンタリー……「記録」を生み出す「闘争」の現場に迫りながら描く、新たな50年代像"

久野量一『島の「重さ」をめぐって―キューバの文学を読む』
"キューバは曖昧で不明瞭な存在だ、言わばこの島には「重さがない」。自らのアイデンティティを自明視する「肯定の詩学」と、それを疑う「否定の詩学」"

吉田裕『日本軍兵士―アジア・太平洋戦争の現実』
"敗色濃厚になった時期以降のアジア・太平洋戦争の実態を追う。異常に高率の餓死、30万人を超えた海没死、戦場での自殺・「処置」、特攻、劣悪化していく補充兵、靴に鮫皮まで使用した物資欠乏"

吉上亮『泥の銃弾(上)』
"都知事、狙撃──。新国立競技場で起きた事件は日本を震撼させた。誰が。なぜ。狂騒の中、日就新聞社会部の天宮理宇はチームを率いて真実を追うが、捜査は唐突に打ち"

西崎憲『全ロック史』
"ロックミュージックはいかなる手段で、誰に抗い、何を訴えつづけてきたのか。一体なんのために。スコッツ‐アイリッシュアパラチア山脈への移住からはじまる巨大なるサーガ、ついに誕生"

松本卓也『創造と狂気の歴史 プラトンからドゥルーズまで』
"プラトンアリストテレスに始まり、デカルト、カント、ヘーゲルを経て、ラカンデリダドゥルーズまで"

中沢新一『増補改訂 アースダイバー』
"沖積層と洪積層が織りなす山の手と多摩川隅田川と海民が作る下町の複合体が東京である。散歩の革命を起こしたベストセラー、128頁加筆の完全版"

リジー・コリンガム『大英帝国は大食らい: イギリスとその帝国による植民地経営は、いかにして世界の食事をつくりあげたか』
"帝国の複雑に入り組んだ相互依存の仕組みと、近代世界の食習慣をかたちづくるうえで帝国が果たした役割"

五神真『大学の未来地図 ──「知識集約型社会」を創る』
"豊富な人材ネットワークを持ち、大学間をつなぐ高度な情報インフラも整備している。だからこそ大学は、全世代が活躍する「知識集約型社会」モデルを創ることにも貢献できる"

村田晃嗣『大統領とハリウッド-アメリカ政治と映画の百年』
"『國民の創生』を皮切りに、ハリウッド映画はアメリカ大統領を描き続けてきた。作中の大統領には人々の不満や希望が投影される一方"

徳久悟『地域発イノベーションの育て方』
"大都市とは状況が異なる地方都市において、その土地ならではのリソースをもとに、いかにしてイノベーションを実現するか? 東南アジアの途上国を舞台"

ロザリンド・クラウス『独身者たち』
"クロード・カーアン、ドラ・マール、ルイーズ・ブルジョワ、アグネス・マーティン、エヴァ・ヘス、シンディ・シャーマンフランチェスカ・ウッドマン、シ"

ランシエール『哲学者とその貧者たち』
"プラトンの哲人王、マルクスの革命論、ブルデュー社会学(そしてサルトルの哲学)…かれらの社会科学をつらぬく支配原理を白日のもとにさらし、労働者"

岩波ジュニア新書! 川上浩司『不便益のススメ: 新しいデザインを求めて』
"同じ場所を3回通るとかすれていくナビ、目盛りが素数の位置にしかない素数ものさし、足でこぐ車椅子は、効率化や自動化の逆にある「不便益」の発想から生まれた"

郝景芳『郝景芳短篇集』
"「北京 折りたたみの都市」でヒューゴー賞を受賞し、いま最も注目されているSF作家初の短篇小説集。社会格差や高齢化、エネルギー資源、医療問題、都市生活者のスト"

加藤耕一『時がつくる建築: リノべーションの西洋建築史』
"既存建築の再利用(リノべーション)はきわめて重要な建築的創造行為であった。西洋建築史にみられる数々の既存建物の再利用の事例"

柄谷行人『世界史の実験』
"柳田の思考の「方法」を見極め、ジャレド・ダイアモンドエマニュエル・トッドらを援用した卓抜な世界史次元での「文学」と「日本」批評"

石田英敬、東浩紀『新記号論: 脳とメディアが出会うとき』
"クロマニョン人リュミエール兄弟スピノザとニューロサイエンス、フロイトiPadが軽やかに結びつく、超時代・超領域の連続講義"

橋爪大三郎『小林秀雄の悲哀』
"「もう、終いにする」。戦後の知識世界に輝くビッグネーム・小林秀雄が、晩年、10年にわたって取り組んだ『本居宣長』は、執筆に難渋し、結論に達しないまま意外な一言で終わってしまった"

アリスン・ピープマイヤー『ガール・ジン 「フェミニズムする」少女たちの参加型メディア』
"少女たちによる新しいフェミニズムを形づくった、手作りの小冊子「ガール・ジン」、その歴史と活動を詳細に綴った初の解説書"

秦隆司『ベストセラーはもういらない ニューヨーク生まれ 返本ゼロの出版社』
"ジャーナリスト秦隆司が作り手側から見た出版の世界を描くノンフィクション。“出版は「完全に死んでいる」”と"

齊藤了文『事故の哲学 ソーシャル・アクシデントと技術倫理』
"ディープラーニングしたAIの判断の責任は、だれがとればよいのでしょうか?人工物が複雑化すればするほど、事故の因果関係は不"

大澤真幸『社会学史』
"マルクスフロイトフーコーも、実は社会学者なんです"

フェルナンド・バエス『書物の破壊の世界史――シュメールの粘土板からデジタル時代まで』
"50世紀以上も前から書物は破壊され続けているが、その原因のほとんどは知られていない。本や図書館"

三浦展、藤村龍至、南後由和『商業空間は何の夢を見たか 1960~2010年代の都市と建築』
"60~70年代に生まれた近代都市への疑念と新しい街づくり志向、80年代以降の郊外につくら"

『現代思想2019年5月臨時増刊号 総特集=現代思想43のキーワード』
"“いま”を読み解くための最新キーワード・ガイド おびただしいバズワードの群れが日々生まれては消えていくなか、"

『クリエイティブな仕事をしている君へ。今日からはじめるワーク・シフト』
"自己中心主義、蔓延るマウンティング、ばかげた労働時間、お粗末なスコープ、混沌としたワークフロー、生産性の低い"

ジャック・ラカン『アンコール』
"「愛」という主題を据え、精神分析を新たな領域に飛躍させる後期ラカンの真髄"

アンドレ=ジョルジュ・オードリクール 『作ること 使うこと〔生活技術の歴史・民族学的研究〕』
"アンドレ=ジョルジュ・オードリクールは農学者であり、社会学者マルセル・モースが提唱した"

シャンタル・ムフ『左派ポピュリズムのために』
"ギリシャのシリザ、スペインのボデモス、米国のサンダース、英国のコービン、不服従のフランスのメランション…。“少数者支配”に立ち向かう。"

ジョン・ロバートソン『啓蒙とはなにか:忘却された〈光〉の哲学』
"イスラム教の台頭などを背景にポスト世俗化に光が当てられる。啓蒙はまさにその中核的な概念として参照されている。こうした思想状況に本書は警鐘をならす"

『固有名の詩学』
"固有名を介して、現実と虚構が接続される。本書は中世から現代までのドイツ語圏の文学における固有名の機能を、〈産出性〉、〈虚構性〉、〈否定性〉"

マルティン・ハイデガー『技術とは何だろうか 三つの講演』
"瓶(かめ)や橋、家屋といった身近な物から出発し、それらの物がどのようなあり方をしているのかを考え、ついには「世界」に到達する講演"

夢野久作『近世快人伝 頭山満から父杉山茂丸まで』
"頭山満杉山茂丸、奈良原到といった玄洋社の猛者たちと魚屋の大将の破天荒な人生を面白おかしく描き上げた痛快な人物評伝。奇人、怪人、豪傑たちがユーモア溢れる筆致でいきいきと動き出す"

今泉忠明『わけあって絶滅しました。――世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑』
"生き物が絶滅する確率は99.9%。聞いてくれ、その理由を!!受難の生き物70種"

マーク・フィッシャー『わが人生の幽霊たち――うつ病、憑在論、失われた未来』
"過ぎ去ったものたちの残滓から現れる幽霊という希望 21世紀の終わりなき倦怠感をいかにして打破しようという"

河村彩『ロシア構成主義: 生活と造形の組織学』
"ロシア革命直後の1920年代、新しい社会主義文化建設のために生まれた《ロシア構成主義》。なぜこの文化運動が21世紀になお模倣され、あらゆるモードの祖型となったのか"

中西満貴典『レトリックと哲学;ケネス・バークからミシェル・フーコー』
"バークのレトリック観に魅せられた筆者。フーコー読みをへて、やがて“文字/声”の区分を思考の補助線として位置づけ"

東浩紀『ゆるく考える』
"いつの間にか中小企業ゲンロンのオヤジ経営者になっていた。人生の選択肢は無限だ。ゆるく、ラジカルにゆるく。東浩紀のエッセイ集"

キャット・ホームズ『ミスマッチ 見えないユーザーを排除しない「インクルーシブ」なデザインへ』
"ビジネスとインクルージョン(包摂)は両立可能なのか?元Microsoft、現在はGoo"

ロージ・ブライドッティ『ポストヒューマン 新しい人文学に向けて』
"近年「思弁的実在論」と並んで盛んに論じられている〈ニュー・マテリアリズム〉の動向の震源地のひとつであり、ジュディス"

森田成也『ヘゲモニーと永続革命 -トロツキー、グラムシ、 現代』
"スターリンによって暗殺されたトロツキー(1879~1940)、ファシスト政権に囚われ獄死したグラムシ(1891~1937)。現代世界の変革への展望を切り拓く"

望月優大『ふたつの日本 「移民国家」の建前と現実』
"日本はすでに「移民国家」だ。この30年間で在日外国人の数は94万人から263万人へと約3倍に増加し、永住権を持つ外国人も100万人を突破した"

平田知久『ネットカフェの社会学:日本の個別性をアジアから開く』
"日本のネットカフェはなぜ個室なのか。アジア九都市との比較研究を通して、日本のネットカフェの特異性とコミュニケーションの可能性を探る"

慎改康之『フーコーの言説』
"知・権力・自己との関係という三つを軸に、多様性と絶え間ない変貌によって特徴づけられる。そうした彼の言説群を貫いて存続する「フーコー的」なものがあるとすれば、それはいったい何か"

松本潤一郎『ドゥルーズとマルクス――近傍のコミュニズム』
"〈もし資本と労働が出会わなかったのであれば〉をカタパルトとして描きだされる軌道を〈私たち〉には構想することができるし、その構想を実現することもできるのではないか"

森田裕之『ドゥルーズ『差異と反復』を読む』
"『差異と反復』で語られた思想の大まかなイメージをつかむことから始め、「強度」「特異性」などの専門用語を一つひとつ丁寧に説明"

アントニオ・ネグリ『デカルト・ポリティコ ―政治的存在論について―』
"不在とされたデカルトの政治思想を、彼の形而上学のなかに大胆に読み込んで抉り出し、哲学者デカルトによる〈ブルジョ"

菊地夏野『日本のポストフェミニズム :「女子力」とネオリベラリズム』
"ポストフェミニズム化する日本を斬る!対話と論争の覚醒へ。ナンシー・フレイザーの批判を真摯に受けとめ、英米のポス"

小林康夫、中島隆博『日本を解き放つ』
"空海世阿弥、徂徠、漱石、鴎外、そして丸山、武満―世界の哲学者と対話を重ねてきた2人が、“ことば”・“からだ”・“こころ”の重要テクストを読み解きながら、“日本”を縦横無尽に語る"

大隅和雄、大山誠一、長谷川宏、増尾伸一郎、吉田一彦『日本思想史の可能性』
"「日本固有の思想と呼べるものはあるのか?」という、きわめて根源的な問いに正面から向き合い、20年以上にわた"

中沢新一『日本文学の大地』
"言霊の大いなる循環をおそれた万葉集の詩人たち。権力と性愛のふたつの糸が織りなす源氏物語霊性の贈与を信じ自らを投げ出した親鸞東海道中膝栗毛の驚くべき軽さと、その底に広がる深淵"

グレアム・ハーマン『非唯物論: オブジェクトと社会理論』
"対象(オブジェクト)は非関係によって知られ、共生は非相互的、非対称的である―アクター‐ネットワーク論や新たな唯物論との対決"

陳浩基『ディオゲネス変奏曲』
"台湾推理作家協会賞最終候補作となった衝撃のサスペンス「藍を見つめる藍」、密室殺人を扱った「作家デビュー殺人事件」、時間を売買できる世界を描いた異色作「時は金なり」"

ゼイナップ・トゥフェックチー『ツイッターと催涙ガス ネット時代の政治運動における強さと脆さ』
"SNSが大きな役割を果たした21世紀の政治運動の多くは、その活動を維持できなくなってい"

ジッド『ソヴィエト旅行記』
"平等な社会に思いを馳せ、共産主義に傾倒していた20世紀前半の知識人たち。ジッドもまた壮大な実験場となったソ連を嬉々として訪れたものの、旅行客向けに案内される綺麗な施設の裏には"

古田徹也『言葉の魂の哲学』
"中島敦の小説「文字禍」、ホーフマンスタールの小説「チャンドス卿の手紙」。この二つの作品に描かれたいわゆる「ゲシュタルト崩壊」、すなわち、文字が意味や表情を失って見える現象"

『たぐい vol.1』
"人間を超えて、多-種の領野へ人間は人間だけで生きているのではない。複数種の絡まりあいとして、人間は、ある。種を横断して人間を描き出そうとする「マルチスピーシーズ人類学」の挑戦的試みを伝えるシリーズ、創刊。"

中沢新一、中川大地編著『ゲーム学の新時代 遊戯の原理 AIの野生 拡張するリアリティ』
"賢い人間(ホモ・サピエンス)から遊ぶ生命(アニマ・ルーデンス)へ ゲームの探求と先端テクノロジーがひらく次世代人類のための未来学"

井庭崇『おもてなしデザイン・パターン インバウンド時代を生き抜くための「創造的おもてなし」の心得28』
"これからのインバウンド時代に効く「創造的おもてなし」を「パターン・ランゲージ」の手法で解説!"

ロベルト・テッロージ『イタリアン・セオリーの現在』
"イタリア現代哲学の起原をフランス現代思想との連続性とイタリア固有の知的伝統(政治哲学)とに探り、その全体的な布置を描く。自身もイ"

仲正昌樹『〈後期〉ハイデガー入門講義』
"アーレント、フランス現代思想からマルクス・ガブリエルまで、今なおポストモダン/現代哲学の震源である、『存在と時間』以降の転回(ケーレ)を経た〈後期〉を徹底講義する初の入門書"