地方の旅館をなんとかする方法


旅館がないまちは意外と少ない。
温泉地なんかだと、ひとが全然いないのにとにかく宿がたくさんあり、過去にはいっぱい温泉客が来てたのかなと思わせる。
あるいは、地方の小さいまち、しかもいわゆる観光地などではないところであっても、旅館業は結構存在している。

小さい頃から、どういうひとが泊まりに来るんだろうか、やっていけてるんだろうかと不思議だった。
大宮から熊谷や栃木の那須に行くとき、車窓から見える古びたお宿を見て、どんなビジネスなんだろうかと思っていた。


地方に住むようになって仕事でも観光宿に関わるようにもなって、そういうところの仕組みがちょっとわかってきた。
観光地でも何でもないまちであっても、県のひとが町役場に出張しに来てそれで泊まるとか、そういう感じの需要があるのだ。良くも悪くも出張費は偉大。

また、旅館にはたいていご飯を食べさせるための広間があり、ここも稼ぎのポイントになっている。
要するに宴会をやるわけだ。泊まりに来る人が仮に少なくても、地方はたくさん飲み会があるので、広間を使ってその需要に応えられる。
ひとり四、五千円だとして二十人の会合が行われれば、一日に十万円くらい売上がある。田舎ではなかなかインパクトがある数字だ。
外から人がやってきたとき、宿泊場所であるお宿で地元の人との宴会をやれば、終わったあとそのまま寝られていい。


それでも、やはり厳しい。少子高齢化や産業不振など地方の抱える構造的で大きな問題の影響が強すぎる。
まち全体で仕事が回っていなければ、外から出張のひとがやってくる機会も少なくなるし、働き盛りの人間が減ると宴会需要も減る。これからどうしたらいいんだろうか。

ぼく自身がいま可能性があると思っていて、実際に挑戦しているのが、下記のようなモデルだ。
ここまで書いて疲れてしまったので、かなり似たモデルで、かつ、上手に書いている記事があったから引用する。

長野県上田市鹿教湯温泉旅館組合は、「旅館で長期滞在を」と、21泊で9万9800円の滞在型プランをこの夏から売り出す。スタート時には同温泉の宿泊施設23軒のうち、12軒が参画する。料金のなかには消費税や、自治会費も含まれている。大きな特徴は1人の料金ではなく、1部屋当たりの料金なので、リタイアした夫婦や、40代を中心とした家族連れで連泊すると、割安感が大きい。元々湯治客が多い温泉地で、鹿教湯病院やクアハウスもあり、長期間療養客を受け入れてきた下地はあった。

 食事代は含まれていないので、料理をオプションで付けてもいいし、蕎麦屋さんなど温泉地内にある4軒の食事処や、近隣の大型旅館・ホテルのレストランを利用することもできる。コンビニエンスストアから旅館への出前サービスを利用してもいい。自炊できる施設も参画している。21泊でなくても、例えば7泊8日では3万5千円(消費税込み)と、1泊当たり5千円という計算だ。
鹿教湯温泉の長期滞在プラン ― 移住の前に旅館で3週間“暮らす” | 旬刊旅行新聞 – 株式会社旅行新聞新社

当然ながら地域ごとの背景や文脈があるので、ぼくがやっているものと違う点も多い。
しかし、いわゆる観光や宴会需要を狙ったビジネスではなく、なんらかの理由で長期滞在したいひとを狙うという点は同じだ。

ぼくのブログはあまり仕事の話を書いていないし、地方の旅館ビジネスに関心がある読者なんているのかさっぱりわからない。
でも、いま取り組んでて、少し光がさしてきたので書いた。興味ある人がいたら連絡いただければいろいろ話せることがあると思うので、お気軽にコメントでもメールでもツイッターでもください。