オール・ポッシブル・フューチャーズ/アイデア「ポスト・インターネット時代のヴィジュアル・コミュニケーション」(1)


今月のアイデア「ポスト・インターネット時代のヴィジュアル・コミュニケーション」がめちゃくちゃよかった。今年読んだ雑誌の中で一番刺激的だったかも。

MASSAGE 9

MASSAGE 9

高岡健太郎、ばるぼら両氏が企画・監修で最初から期待大だったんだけど、期待していたものに加えてさらに別の驚きがあった感じ。とりあえずはその別の驚きについて書き散らしておく。

idea (アイデア) 2014年 09月号

idea (アイデア) 2014年 09月号

デザインによって「少し先の未来の条件のもとであれば、アイデンティティはどのようなものになりうるのかという推論=思索(スペキュレーション)」を企むスペキュラティブ・デザイン。これを全面的に展開する「All Possible Futures」の小特集。

自分の関わったRhetorica#02でもスペキュラティブ・デザインの特集をやったんだけど、そのとき日本語で頼りになる文献をなかなか見つけることができなかった。

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もちろんうさぎスマッシュ展やそのスプツニ子氏であるとか、あるいは福原志保氏であるとか、その他調べきれてないものがいろいろあると思うんだけれども(そういえばうさぎスマッシュは、工業製品を実らせる遺伝子操作された植物を描いた「グロース・アセンブリー」とかめっちゃよかったな)、とにかく、もっと読みたいぞ!っていう。

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そこでRhetorica2号では太田君にダン&レヴィはじめ海外事例の紹介をいくつかやってもらっていた。UMKとか最高ですね。それでも、今回のアイデアのように展覧会まるっと紹介のかたちにまでは至っていない。だから、この小特集は本当に意味があると思う。

「オール・ポッシブル・フューチャーズ展」についてのジョン・スエダ論文の中では、ウィキリークスシーランド公国に依頼されたという体の架空のデザインプロジェクトの例が紹介されている。「思索(スペキュレーション)や不確かな根拠に基づくお蔵入りになった様々な探究を、公衆の眼前にさらし、批判的に議論をすることができないだろうか」。建築ではこういうネタがいっぱいあるのに、(グラフィック)デザインでは全然ない!もっとやれ!ジョン・スエダはそういうふうに書いている。