「面白い!」を逃さない探検をしよう―川喜田二郎『創造と伝統』から「探検の五原則」を学ぶ


KJ法で有名な川喜田二郎は、『創造と伝統』で「探検の五原則」を掲げています。
この原則は、川喜田が体験をベースにラベリングを行い(KJ法をしたということでしょうか)作成したものとのことです。

第1原則:「360度の視角で取材せよ」
第2原則:「飛び石伝いの取材」
第3原則:「ハプニングを逃さず」
第4原則:「何だか気にかかる」
第5原則:「定性的にとらえよ」

どれも面白い原則ですが、個人的にグッとくるのは第3原則と第4原則です。

川喜田によると第3原則「ハプニングを逃さず」は、たとえば朝たまたま新聞の片隅に「おやっ」と思う記事が載っていたらそこから重要な情報につながるとか、そういう事態のことを言っています。
川喜田は人類の大発見のほとんどは計画的に行われたものではなく、釣りで言えば計画的に捉えられるのは中魚までで、大魚はハプニングで捕まったものなのだと力強く述べています。

第4原則「何だか気にかかる」は、気になったことはとにかくどんなかたちでもいいから取材して、メモしておくということです。
今の仕事に関係があるかないかとか、そういうことを度外視して理屈を言わずにメモをとることが大切だと言っています、


どの原則も一見当たり前のように見えますが、そこに通底しているのは、面白いと思ったものに対する貪欲さの重要性でしょうか。

計画が壊れるとか、ちゃんとしたデータではないからとか、色々な配慮とか留保をつけてしまって、せっかく面白いモノがあるのにそこに目を向けないのは「探検」の原則に背く行為なのだと言えると思います。

面白いモノがあるから、それを探究するために調査を計画したりするのであって、計画があるからと言って面白いモノを見逃してしまうというのは悲しい逆説です。

とりわけ、フィールドワークやインタビューなどの質的調査などを対象とする川喜田の「探検」においては。

創造と伝統―人間の深奥と民主主義の根元を探る

創造と伝統―人間の深奥と民主主義の根元を探る


この原則が書かれた『創造と伝統』は、KJ法を提案した有名な本『発想法』にも劣らない名著なのでオススメです。

創造性とは何か(祥伝社新書213)

創造性とは何か(祥伝社新書213)


ちなみに、この本の一章のみを新書にした『創造性とは何か』もありますが、『創造と伝統』は第一章以外にも読むべき部分がたくさんあるので、『創造と伝統』が買える人はこちらを買うべきかと思います。