福原麟太郎編『世界の名著25 ベーコン』


昨年の冬頃に興味ある思想家の自伝だのエッセイだのをいくつか読んでた。簡単な本なら読めんじゃねっていう。ミル自伝とか、ラッセルとか。
ベーコンの随想集もちょうどそのときに読んだ。

ほいで最近このベーコン随想集も入っている世界の名著25巻を買ったので少し読んでみた。とりあえず最初の解説のところを読んだら、ベーコンの伝記的な話だけでなく、色々なことが知れてためになった。なのでメモとして書いておく。

ほおーと思ったのは、ベーコンが修辞学について言及していたり、詩についても色々と書いていたということだ。ぼくは彼は科学についてはいっぱい考えてたんだろうと思ってたけど、そういうことも考えていたとは知らなかった。

たとえばベーコンは「学問の発達」でインヴェンションという語を使っている。これは単に工夫とか発明とかいうことかと思われるけれども、ベーコンがこれを使う場合には、修辞学の文脈が前提とされていて、「思想や観念を発見することや、資料を集め整理することや、発見、再発見などのいろいろの場合に用いられている」のだという。まつとも@から修辞学とかいうものが色々おもしろいという話は聞いていたのだけれども、ちょっとリアル感が増した。
前回なんとなく「ベーコン随想集」を読んだときにも素朴に素晴らしい文章だなと思ったんだけれども、彼がイイ散文を書けたのは修辞学への関心があったからかもしれんとも書いてある。イギリスではルネッサンスの頃にようやく散文が発達してきたために、散文をどう書くかを考える必要があり、修辞学への関心が高かったそうだ。

それから、エッセイにはモンテーニュ的なものとベーコン的なものとがあるのだとも書いてあった。モンテーニュの方が物語っぽくて、ベーコンのは立論っぽくて警句みたいなのも入ってる。
最近読んだトゥールミンの本で、ルネッサンスというのはほんといい時代で、特にモンテーニュはえらいんだって書いてあったのを思い出した。この本を読み終えたら、今度はモンテーニュのエッセイを読んでみようと思う。ベーコンのそれとどう違うのか楽しみ。