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苦しみと、その癒やし──手塚治虫『ブッダ』について

手塚治虫ブッダ』をパラパラと読み返した。作品内では、苦行をめぐった議論が何度か描かれている。
行者・デーパは、身体を苦しめることによって欲が離れるからと苦行の意義を語る。ブッダは、自身もはじめデーパらとともに苦行に取り組むが、のち捨て去る。ブッダは苦楽への偏りそれ自体を批判し、中道を擁護するからだ。

新装版 ブッダ 全14巻

新装版 ブッダ 全14巻

ぼく自身は苦行とは程遠い人間だが、デーパの語り口(の問題)には、共感してしまうところがある。精神を解放するためには苦しまなければならない、救済に至るにはまだまだ肉体を痛めつけなければならない──そんな言振りに。
「(精神の)苦しみの原因には(肉体の)苦しみの不在がある」。こんなふうに定式化すればよいだろうか。ある苦しみを別の苦しみによって癒そうとする感覚、纏わりつく自責のイメージ。

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読書リスト(2017年1月)|三木清、グロイス、セネットなど

今月は誕生日でもらったものも含めて大量の本をゲットできた。本当にありがとうございます。

年始の休みにウォマックなどちょろちょろ消化できました。
テラプレーンは確実にマスト。必須化!

小川さやか『その日暮らしの〜』も読み終わった。こちらも素晴らしかった。
素朴に労働観(と関係する商習慣、社会観)が揺らぐ感じがあった。

読書リスト(2017年01月)

ピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』

読んでいない本について堂々と語る方法 (ちくま学芸文庫)

読んでいない本について堂々と語る方法 (ちくま学芸文庫)

一ノ瀬正樹『英米哲学史講義』

英米哲学史講義 (ちくま学芸文庫)

英米哲学史講義 (ちくま学芸文庫)

ジョン・ル・カレ『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』

ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫NV)

ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫NV)

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二十代後半

「絶対にこうでなければ嫌だ」ということに忠実になるべきだ。その結果がどのような帰結を生み出すかは気にしても仕方がない。

この考え方には様々な問題が含まれている。とりわけ大きなそれは「絶対にこうでなければ嫌だ」が根こそぎ喪われてしまう可能性にある。

売れないバンドマンになることは怖くない。しかし、売れないバンドマンである理由がわからなくなってしまうことは、たまらなく恐ろしい。

──ゆっくり急げ。この言葉の意味がわかるようになってきた。